ゆず

blank13のゆずのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
3.9
借金を残して失踪した父親のせいで、苦しい生活を強いられた母親と兄弟たち。
13年後、ガンを患う父と病院で再会するも、兄弟は父を許すことができないまま別れるのだった…。

序盤はなんだか胃が痛くなる内容が続くんだけど、「エイリアン」もろパクリのタイトルバックから一転、いきなり楽しい雰囲気へと変貌する。
佐藤二朗が主演を差し置いて仕切り出す「佐藤二朗劇場」が開幕。そうそう予告で見たのこれだわ、ってなる。
ちなみに告別式のシーンである。何故か告別式が楽しい、という稀有な映画である。

少しアンバランスに感じるほどのシリアスとコミカルの匙加減。あえて、この二面性が人生だ、とでも書いてみるか(笑)
喪主である兄弟たちを真面目に陰鬱にしっかり描くことで弔問客たちのシュールさが際立っているのだが、際立つのがシュールさなので、奇妙に感じるのもやむを得ない。
その他、金持ちと貧乏人の葬式を比較したり、火葬についてスポットを当ててみたりと、いろいろ試行錯誤している感じ。
特にラストカットのなんともいえない佇まいは、監督の野心が滲み出ていて好き。



2/28 blank13 @チネ・ラヴィータ
ゆず

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