ただのすず

blank13のただのすずのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
3.5

コントの企画として作ったものを
引き伸ばしたとのことで、
シリアスな前半とコミカルな後半の構成が変わってる。
背景がすっきりとしていて爽やかで、
人物の表情が見やすく、
存在がくっきり際立つ感じがとても美しい。
高橋一生の演出なのかわからない
少年のようなあどけない表情がとても良かった。
役者がみんな上手ではりきった演技をしないのが好き。

他者の痛みに敏感で誰よりも頑張る長男が人を憎み、
庇護され守られてきた次男が憎みきれずに愛す。
人の優しさや愛情には限りがあると思う。
家族に与えるのか、それともそれ以外の他者に与えるのか
正解はない。
取捨選択しないといけないということが辛い。

こういう父親がどこにでもいると知れたこと、
そして結局どうあっても憎み切ることができないということが
改めてわかって、良かった。

くっきーがね、もっと活躍すると思ってたんだよ。残念だな。