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blank13のacoのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
3.2
一番印象に残ってるのは神野美鈴さんでしょうか。事故にあっても、自分よりも生活の為に仕事に行く。母は強しというけれど、逃げずに子供達の為に生きた母が一番印象に残った。

家族のことってあまりよく知らないのかもしれない。一緒に住んではいても、例えば私は兄のことなんてほとんど知らない(仲が悪いわけじゃないけど、よくもないです)。小さい頃の断片的な思い出はあっても、きっと私よりも兄のことを知ってる人は沢山いる。
葬式で思い出の断片を語ってくれるのは家族としてはありがたいのかもしれない。たとえ13年離れて暮らしてても。いや、離れて暮らしてたからこそ、大嫌いだった父への思いが少し和らぎ、赦せたのかと思う。
長男(斎藤工)が葬儀を途中で抜け出すところは、グッとくるものがあった。
そして、父みたくなりたくない&母に楽させたいから、懸命に勉強して(夜遅くまで勉強してたね)、広告代理店に勤め、母に仕送りしてるのは偉いなぁって単純に思ったし。

だけど、佐藤二朗さんはね…。好きな俳優さんだけど、あの福田雄一の世界をこの作品で出すのはどうかと思う。もっと抑えた演技が出来る人だから、何もここまで佐藤二朗色を濃くしなくてもよかったんじゃないかと思う。なんか、全部持っていかれるよね、佐藤さんに。

あと、高橋一生さんは、ふつうに良かったのだけど。細かいこと突っ込んで申し訳ないけど、ブランク13年、失踪当時の子役の感じからまだ小学生。だとすると、25歳くらい?長男は30歳そこそこ?
斎藤工はまぁいいとして、高橋一生さんの20代は無理がありすぎ。特に顔の皺がねぇ。

斎藤工さん初監督ということで。なんとなく変態な人だと思ってるのでもっとマニアックな感じになるかと思ったけど、思ったよりもまともで。自分の使えるチカラ(配役とか)を全て使って(それも本人のこれまでの人徳とか才能)、割と良かったと思う。
次も撮るなら観てみたいと思う。
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