お笑いやる人の狂気。
北野武監督がヤクザ映画で笑いと暴力を描いたように、元々お笑いやってるというジョーダン・ピール監督が描いたのは恐怖と笑いの世界。
これはやられたなー。
ネタの振り方もうまい。
音楽もいいし、キャラの配置も完璧。
いやいや、面白かった!
日本人だけど、閉鎖的な白人社会に黒人の人が飛び込んでいくって、今でもなかなかエキサイティングなんだろうなって言うのは感覚的にわかる。
ってか、アジア人、しかもダルビッシュみたいな結果残してる人でさえ、あんなわかりやすい差別受けちゃうんだもんね。まだまだいろんな差別は残念ながら存在してます。
なので、
黒人のカメラマン・クリスが白人の彼女・ローズの実家に挨拶に行くという冒頭の設定聞いただけで、もうイヤな予感しかしません。音楽も絶妙に不安感を煽ります。
道中ハプニングがありながらも、ローズ家にたどり着き、意外にもローズの両親には歓迎されます。
ところが。。。
ってお話。
うーん。ここからは
★★★以下ネタバレ★★★
うまい、と思うのが、不穏な空気を出してるのが白人でなく黒人がその役割をやってるってこと。
使用人やメイドとして配置されてる黒人が絶妙過ぎる。
ってか、絶妙で不穏すぎるから、もう笑うしかないという。
白人しかいないパーティーで黒人を見つけたときのクリスの歓び。その後の絶望。ここも不穏すぎる!
あのグーの挨拶を普通の握手で返すとこ、上手いよなー。
初めは礼儀正しく接していた白人たちも徐々に失礼になります。これもホントに徐々に。これも不穏。
もう不穏だらけ。
なにか途中でビンゴやってるシーンとかありましたが、あれクリスオークションなんですね(*_*)
不穏というか、えげつない。
そして、クリス我慢の限度が越えたときにおこるあの展開。そっから話のトーンがガラッと変わるんだけど、いや、もう痛快無比!
さすがにここからはネタバレ過ぎるから書けないけど、ラストはどうなんでしょう?
観た人同士で語り合いたいですね。
この物語展開って、まあ、バターンとしてあるんだけど、差別絡めてるのが意外性を生んでますよね。なんか、ああいうことしちゃいけない雰囲気がある。タブー破り、的な。
何にしても気持ちよく騙されたし、スカッともさせてもらいました!
こうなると最初のエンディングだったという、別バージョンのバッドエンディングの方も観てみたい。ソフト化されたときは収録されるかな?