催眠術が重要なキーになっていて胡散臭いなと思っていたけどそれは観客と同じく主人公が初めから信用してないからどんどん共感できた。あの頬を伝う涙で自分も催眠術をかけられてる気分に。あの主人公からは聡明さが感じられて応援したくるのもプラスですね。あと人懐っこい大きな目というのも大きなポイント。
人種差別問題に切り込みながらも説教くさくなってない。夜中に走り回る管理人やノーノーノーと言いながら涙を流す家政婦など妙な違和感を重ねていくことでワクワクしつつもちろん恐怖にも慄き、それが過剰でコメディ要素もある。
あと振り返れば伏線の張り方が実に緻密で例えば警察が主人公にIDを提示するよう要求する場面なんてね…もう１度見たいです。
冒頭のChildish Gambinoの「Redbone」をかける辺りの目配せもいい。監督の才に惚れますね。
自分はバスケやヒップホップが好きでそこで活躍するのはほとんどが黒人。黒人に対しての憧れというよりは単純に圧倒されて凄いなという気持ちだけどなんかその思いでさえもチクチク刺激されます。
もう少しタイトにまとめてくれていたらと思う部分もあるが、終盤の怒涛の展開は衝撃的。場内が唖然とする感じが伝わってきて良かった。
