チャンミ

ゲット・アウトのチャンミのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.7
有色人種はこういう出来事にあう可能性がある、という(かなり戯画化された)ブラックコメディというかホラーなんだけど、フランケンシュタインにしろゾンビにしろ、そういう風刺だったはず、だから意外性はおもったよりなかったけど、前半の牧歌的な(が、不穏がかすかに引っ掻いてくるかんじ、を潜ませつつ)展開とのコントラストはじめ、うまいとおもいました。

観賞日がレディースデーだったせいか、男女カップル、あるいは女ともだちと来た人たちが多いとかんじたけど、漏れ聞こえる感想は「怖かったー」「ただの犯罪じゃね?」みたいなぐあいで、あーこの話が身近にはかんじられないのが今の日本なのかな、と、まあ東京の数百人の観客という限られたなかでの話だけど、本作のテーマはあんまり伝わってないのかなとおもった。
でも「相手がトランスジェンダー」とか「相手が在日コリアン」とかで、日本でも、受け入れている風ヘイト的な言動は、あることですよね。

あと、また字幕翻訳の話になるけど、本作は郊外(南部?)とニューヨークのコントラストもだいじだから、女性登場人物がみな「かしら」「だわ」「なのよ」な女ことばなのはだめだなーとおもった。
ローズが地元では話し方変わる、とか、ニューヨークの警察(?)女性の話し方はジェンダーレスな口語、とか采配は考えたほうがいいとおもう、作品のテーマは、人種に対してとは言え「偏見」「差別」「蔑視」であるのだから。
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