梅田

ゲット・アウトの梅田のネタバレレビュー・内容・結末

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

黒人のカルチャーが白人のそれに取って代わった時代(冒頭のチャイルディッシュ・ガンビーノは今思えばとても象徴的)の、黒人に対する複雑な視線を映画化するという試みで、いろいろハッとさせられた。「差別はいけない」とかそういうレベルの一歩奥に、「黒人はクールだ」と白人が言うこと自体の含意やポリコレ云々と、日本にいるとイマイチ実感のないアレコレが見えてきて大変興味深かった。たぶんその大元の理念とそれを具体化する仕掛け(白人の黒人化)が先行しすぎたがゆえの展開の強引さや唐突さは気になってしまうけど、前半の薄気味悪さの演出はクセになるなぁと思った。
あとは、比べるわけではないけど『招かれざる客』ってこれと似たようなテーマであの時代にあんなの撮れたのは凄いなぁと思ったり。

ネタバレマークにかこつけて蛇足ですが、この手の「最後に逆襲して逃亡END」って、映画が終わったその後の警察関係の手続きとかのイメージが湧かないとモヤモヤしてしまう。具体的にいうと、今回のアーミテージ家の悪行の証拠は屋敷の炎上とともにほとんど消失して、残ったのは血まみれの黒人青年と複数の死体ということになるわけだけど、いくら友人の証言があってもクリスは被疑者になっちゃうんじゃないのか。例えば凝固法の被害者リストとか、そういう警察が適正に事後の処理を進められるような証拠をほんの少しでいいから示唆して終わってくれないと個人的にスッキリできないから嫌だ。『ドント・ブリーズ』ほどハッキリと最後を描いてくれとまでは言わないが。
梅田

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