新木

ゲット・アウトの新木のレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.8
構成が非常にシンプルなのに、飽きずに最後まで引き込まれたのはホラー、サスペンスというテーマがそうさせるのか。はたまた(はたまたとはこういうときにドヤ顔で使う言葉である)、監督の感じ得ない催眠術に掛かってしまっているのか。
キーとなるのは主人公の彼女役のキャラクター。彼女がこうした(性)癖を持つようになった背景に納得のいく描写はない。けれど感覚的になんとなく理解できる。それは抗えない社会の常識として人種差別が蔓延しているということでもあり、アジア人が白人と黒人の後者のほうの構図に組み込まれないよう黒人にそのすべてを押し付けてきたことの結果なのかもしれない。
あのティーカップを何気なく叩く音。これがとてもうまい。催眠術がこうも簡単にかけられるのかと思うと、渋谷や六本木でITだとかベンチャーだとかで起業している方々にはビジネスで金持ちになるより催眠術師になることをお勧めしたい。
ほかは、ソファの綿で耳を塞ぐ流れは気づいてしまったし、操られていた黒人のひとりが友だちの顔見知りだったとかはなんか脇が甘かった。個人的には警察官たちもじつは操られているのでは、くらいまで妄想してしまったので、もうひとつなんかあって良かったと思いました。でも良かったです。
そしてこの彼はブラックパンサーのあれの彼氏のやつか
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