使用人のおばさん不気味すぎ。
ストーリーや世界観自体は色んな映画で見たことがあるような感じで特別目新しさはありませんが、演技や演出のおかげで最後まで引き込まれます。
スリラー映画のはずなのにどこかシュールなおかしさのある雰囲気は『ホステル』や『キャビン』を彷彿とさせられました。ブラッドリー・ウィットフォードも出てるしね。
「人種差別」という題材を、ホラー映画の手法と上手く噛み合わせていたのも良かったです。
白人の中にひとり黒人がいる、というだけで、なんとも言えない不気味さや居心地の悪さがしっかり伝わってきました。
面白いのは「自分たちは差別をしていませんよ」と振る舞う人たちの中にこそ無自覚な差別意識があること。
人種問題に限らず、自分でも気付かない内に物事に対してそういう感情を抱いているのかもしれないと思うと下手なホラーよりも怖いです。
こういう映画がアカデミー脚本賞を獲るということ自体、非常に時代を反映しているなあと感じました。
今のハリウッドのトレンドを知るという意味でも、観る価値のある作品だと思います。
ただ、音でびっくりさせる演出は悪趣味なのでやめてください。心臓に悪いです。
