あたまいた

ゲット・アウトのあたまいたのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.3
ホラー映画は避けてきたけど、この映画はどうしても気になってしまい手を出した。ジョーダン・ピールは、これが監督デビューなのだから驚き。ソファーに沈み込む時の『トレインスポッティング』的な要素だったり、自分自身が体を操れないという『マルコヴィッチの穴』的な要素だったり、面白い表現を色々仕掛けてくる監督で、どえらい才能の監督が出てきたなと。

普段生活している中で嫌な予感が的中することがあって、それを上手いこと恐怖を交えながら表してるなと感じた。

主人公クリスは被差別意識を何となく持っていて、白人の彼女の家に行くことも警戒しとったんよ。実際、彼女の実家に着いたら、黒人の使用人を雇っていたり、ホームパーティに来る親戚が白人だらけだったり…やっぱり違和感は拭えない。
ほんでそこに、黒人の使用人の奇行が追い打ちをかけてくるわけ。そーなるともう、クリスだけじゃなくて観客もいよいよこれは怪しいなと。予感に過ぎなかったものが段々と確信に変化していって…

最後は怒涛の畳み掛け。尻上がりにテンポを増していって、気づけばエンディング。

自分は、もう一つの方のエンディングを予想していただけに、ラストは意外なものだったけど、監督の意向を知るとなるほどなと。