優しいアロエ

ゲット・アウトの優しいアロエのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.3
【過去鑑賞作品 27】

昨年の『カメラを止めるな!』には本当に衝撃を受けたが、近年の洋画でカメ止め枠は何かと尋ねられれば個人的には本作を挙げたい。
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監督がコメディアン出身というのも納得の笑えるホラー。しかも、セリフでギャグを言わせるようなコント的スタイルではないのが素晴らしい。居心地の悪さのなかに、脱臼するようなシーンを挟んだ笑い。ホラー映画のイメージは我々の頭の中に出来上がっているから、そこを外されたときに可笑しくなってしまうのだ。

ただ、ホラー、そしてコメディとしては素晴らしい一方、人種差別をテーマにした内容としてはもう一歩踏み込めていない印象だ。

というのも、本作で主人公を襲うのが、妻とその家族、親類だけだからだ。つまり非常に限定的なコミュニティということになる。人種差別について警鐘を鳴らすなら、もう少し広く人々の潜在意識や固定概念も拾ってくれてもよいのではと感じた。

ただ、ホラー映画であることがまず第一にある作品だと思うのでそこまで気には障らない。他人種を一括りで見てしまうことをテーマにするアイデア自体は抜群のセンス。