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ゲット・アウトの4413のネタバレレビュー・内容・結末

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「お前のからだをもらってやろう!」

 あまり、ホラー映画は見ないのですが幽霊とかスピリチュアルではないとのことで拝見致しました。

 予告を見て皆様が感じる不穏さ、不自然さが前半ずっと続きます。構図として、主人公の親友は「白人を警戒し、主人公を心配」するのに対して、恋人は「黒人を受け入れ、主人公を安心させる」というもので、通常であれば逆なのかな、そういう不自然さが際立っていきます。

「若い黒人と老白人のカップル」
「笑顔で働く黒人家政婦」
「迎えつつも攻撃的な白人」
 
 といった白人の領域で黒人という「煙たがられるはずの存在」が暖かく迎えられる一方で、従来通り虐げられる黒人も笑顔で共存しているというある種の不協和音状態が得体の知れない恐怖を演出します。

 その恐怖、不自然さを暴くミステリーサイコホラーともいえる展開が楽しめる作品です。


※以下ネタバレを含みます。


 結論からいうと、この不自然な空間は白人による「体のオークション会場」だったわけです。早い話が

    「体の乗り換え」

 であり、彼ら白人は年老いた体を若い黒人の体に乗り換えることで以前の若い体に加えて強い身体能力を得ようとしているわけです。

 そういう意味ではあまり黒人に対して毛嫌いしていないように見えますが、やはり見下している部分が見てとれます。若い白人ではなく黒人を選んでいるのも能力の他に前時代的な差別、「白人は黒人に何してもいいんだ」というような印象を受けました。

 話が変わりますがこの印象はオリンピックのルール変更とかに似てるなぁ、と思いました。基本的にはスポーツの多くは欧米由来のもので、彼らが主役なので、それ以外のアジア圏が強くなるとルールを変えますよね?(偏見もありますが)このルール変更って「俺たちの方が主役だろ?」というような我が物顔のイメージを感じる一方で「相手の脅威を認識」しているともいえる訳です。恐るるに足らなければ、そのままでいいのですから。

 今回はそんな「認めないけれど、脅威である、自分たちには無いものがある」といったものに対する明るみに出せない憧れを上から目線で奪うことで平静を保つ、そういう時代の変遷とコンプレックスを感じる部分が多かったです。

 もちろん、こういう社会的な部分よりもサイコホラーが際立っており最後の逆襲劇もカタルシスがあるので、純粋な物語として大いに楽しめます。

人間が一番こわいですね

((( ;゚Д゚)))ってなります。
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