この作品はなんか面倒臭いホラーなんだろうなと勝手に思い込んで、今まで二の足を踏んでいました…。
これはホラーでなく、サスペンススリラーな気がするが…。霊的な物やグロい表現を使わずに、人間の心理面の恐ろしさだけでここまで怖さを醸し出すのはスゴいと思います。序盤から中盤の不穏な雰囲気も見事。
主人公以外の登場人物全てが不気味で冷たい感じを出てて物語を加速させています。脚本はスゴく練られていて、伏線の回収もスムーズでアカデミー賞の脚本賞を受賞するのが分かります。細かい所も網羅していて文句の付け所があまり無い感じ。
ただ…人種差別をこういう皮肉り方をするのは新鮮でこの映画の核ですが、自分にはややこしかったですね。あとちょっと音楽がうるさいかな。気になったのはこの２点だけでした。
しかし…やっぱり終盤手前までが少々面倒臭い…。終盤は爆発してスゴく面白かったです。嫌な終わり方するんだろうなと思っていたけど、意外に自分好みの締め括り方でした。なんか「ホステル」を思い出しました。
ですが、本作のエンディングは当初予定された物ではなかったようで、調べた感じでは当初のエンディングだったら自分はダメだったろうな…。
人種差別やアメリカの政治姿勢を強烈に皮肉っていて、スゴく楽しめた映画でした。
