dalichoko

13th 憲法修正第13条のdalichokoのネタバレレビュー・内容・結末

13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

奴隷制度を禁止する代わりに、黒人を犯罪者として刑務所に送り込み、その刑務所ビジネスで潤う企業が大統領候補や国に献金や納税をするという悪循環。この悪循環の中に有色人種がはさまれてしまった、という事実を知る。もはやアメリカは世界から尊敬される国などではなく、南北戦争終結後からずっと、差別を増長してきた国なのだ。格差が広がるのは当たり前である。

こうした歴史的背景をうまく描いた映画だ。オバマがアメリカの受刑者が世界の25%を占める、というセリフから南北戦争に遡り、ここで修正13条が可決されたものの、その但し書きの中に”受刑者を除く”という文言を加え、罪もない黒人を刑務所に送ったり殺したりする事実を合法化しようとした歴史が語られてゆく。
間にグリフィスの『国民の創生』をはさみKKKの広まりを増進し、その後共和党政権(ニクソン、レーガンなど)で特に黒人に対する差別的政策を積み重ねてきたことを物語る。

レーガノミクスの新自由主義経済政策により、何もかもが民営化されたことで、刑務所もビジネスとなった、というのは驚きだ。マイケル・ムーアの『ボーリング・フォー・コロンバイン』で、ウォルマートが銃ビジネスで飛躍的に利益を上げた歴史などが説明されたが、ここでも同じことが示される。それにしれもスーパーでピストルの弾が売られているという現実を我々は認識しにくい。

言うまでもなくトランプも同じ共和党だ。法と秩序という名のもとに有色人種を差別する姿勢は今も昔も変わらない。

いや、これはアメリカだからこのように目に見える形で偏見が露出されているのだが、目に見えない偏見や差別、いじめなども含めて、人の内部に潜在的に息づく偏見を我々は否定できない。宗教対立も同様である。

テレンス・マリックの『名もなき生涯』を見て、我々は自分に誠実でいられるかどうか?と問われたことと、この映画をまともに見ることが果たして本当にできるのだろうか?