安堵霊タラコフスキー

日本人の勲章の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

日本人の勲章(1955年製作の映画)
3.5
スペンサー・トレイシーがカンヌで男優賞を受賞し、ジョン・スタージェスがアカデミー賞候補になった作品。

1945年が舞台だというのに雰囲気とか文法とかが西部劇じみていて、ジョン・スタージェスは荒野の七人みたいな西部劇を撮る以前から西部劇的作品を作ってしまう生粋の西部劇監督だったのだなと、その点は面白かった。

敵役のロバート・ライアンや協力者のウォルター・ブレナンとか、出て来るキャラクターも西部劇的だったけど、ジョン・フォードやハワード・ホークスでも他ジャンルをここまで西部劇的には出来なかったろうから感心すらしてしまう。

しかしスペンサー・トレイシーは佇まいだけガンマン的な孤高の老人を確かに良く演じてはいたが、この演技が特に秀でていたかといえば疑わしいので、おそらくは世界的名優に賞を与える貴重な機会ということでカンヌで受賞を果たせたのだろう。