朝倉

ザ・クライアント 依頼人の朝倉のレビュー・感想・評価

ザ・クライアント 依頼人(1994年製作の映画)
3.4
小さな背中で家族全員を背負い、不条理に立ち向かう少年の姿を見たならば、誰しもが自分の背負う不安なんてちっぽけに感じてしまうと思う。

ストーリーは、「少年がある出来事を目撃したことで死の瀬戸際に追いやられる」これ。
おいおいおいおいよくある話じゃねえかって思ったならば、とりあえず再生ボタンを押してみましょ。

何がそんなに面白いのか、それは少年がただの少年じゃないこと。切りっぱなし袖なしジージャンを着こなし、耳にはピアス、タバコを美味しく楽しむ姿からは、到底11歳には見えない。こんな感じで見た目は完璧なまでに不良であるが、心は強く優しくたくましい。ここがどうしようもないほどに惹かれてしまう、いい味出したギャップなのだ。決して悪い子ではないのに、そんな外見だったり、大人びた発言ゆえに悪い大人に目をつけられやすい。
でもってその大人たちも面白い。出てくる大人の9割が悪人。けど、残り1割の大人は最高に素敵な人格者。
最低な大人に出会ってしまったが、そのおかげで彼の人生を救うことになる大人にも出会えた。この奇跡が、この作品の醍醐味だと思う。

最強最高の正義感を持つ少年が、最低最悪の瞬間に出くわしたことで始まる、彼の最強最高な人生の始まりを描いた作品。


「最強な愛は、最強な敵をも恐れさせる」
朝倉

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