とえ

リアルのとえのレビュー・感想・評価

リアル(2016年製作の映画)
3.5
面白いと言うよりも、これってどういうこと?と思いつつ、謎解きしながら観続けて、最後に、なるほどねーと思って納得した映画だった

解離性障害のために精神科に通うチャン・テヨンが「本当の自分」を取り戻す旅に出る物語

話は三部構成になっていて、それぞれに散りばめられたピースを積み重ねて行きながら、最後に全てが完成する

これは、解離性障害を抱えた人の頭の中を映像化したものたけど
その説明が一切ないので、ちょっと理解しにくい

けれど、初めに登場した精神科医をガイドとして
「私があなたの中にいるもう一人を殺してみせますよ」
という言葉を心の片隅に置きながら、この話を観進めていくと、最後のオチがしっくりくる

カジノ経営者のテヨンとジャーナリストのテヨン
彼らを分けたのは麻薬であり、耐えられない現実から飛び出したもう一人の自分である

もう一人の自分でいる時の記憶を全て失うことで、彼らの世界が2つになる
そこで、精神科医はもう一人の自分に実体を持たせ、彼ら同士を対峙させる

そうして物語は
誕生 → 対決 → リアル
へと進んでいく

ちょっと説明不足なところがあるので、分かりづらいところもあるかもしれないけど
現実社会で起きないことは、全て頭の中で起きていると思って観れば、最後に納得できるはず

耐えられないような現実を目撃してしまったことで、麻薬に頼るようになると、精神に異常をきたしてしまうことを、この映画は描いている

と同時に、韓国で浸透していくロシアンマフィアによる麻薬問題も描く

しかし、最後にテヨンが観た世界はどんな世界だったのかを知りたかった
そこが心残り

韓国映画では珍しく、かなりヨーロッパのテイストが濃い映画だけど
これはこれで、こういう韓国映画があっても良いかもな
とえ

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