ノリオ

透光の樹のノリオのレビュー・感想・評価

透光の樹(2004年製作の映画)
3.5
きっと男は秋吉久美子のような女性とうまく付き合えるかどうかどうかでその器が決まるのだと思う。

ほぼどんな男でも秋吉久美子に言い寄られたら、彼女に溺れてしまうだろう。
溺れてしまい正常な判断ができなくなる。劇中、元夫の平田満が「お前を抱いていたが、抱いていなかった」という言葉がとても印象的だった。
大抵の男はそうなってしまうだろう。
もし仮に一夜を共にしても彼女を手に入れた気になれないはずだ。

永島敏行はとにかくエロく、飯を食っても抱きたい、飲みに行っても抱きたい、仕事をしてても抱きたいと彼女に迫りまくる。彼ほどのタフガイでしか秋吉久美子のような女はモノにできないのである。


歳をとってからの欲求の方が深く粘っこい。
最終的に彼女を縛り付けることのできた永島敏行のその情念は本当に粘っこい。

出し惜しみせず、秋吉久美子を魅力を余すことなく引き出している根岸吉太郎はさすがにっかつロマンポルノ出身といったところであろう。
秋吉久美子を好きな人にはバイブル的なそんな作品である。

ちなみに個人的にはバイブルである。
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