岸田解

不能犯の岸田解のレビュー・感想・評価

不能犯(2018年製作の映画)
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【36-164】DVDや動画配信では何作も観ている白石晃士監督作を、初めて映画館で観た。いやー、これだけの規模で公開されるなんて、すっかりメジャーな存在だなぁ。
映画だけから連想するなら、宇相吹は実在する人間と云うよりは悪意や憎悪のような概念が実体化したもの、或いは「アサクラ」的な存在とも考えられる。そういう意味で、彼の私生活やバックグラウンドを描かなかったのは英断でしょうね。そうなると多田は真山―瀬文ラインかも知れない、柴田―当麻ラインではなく。
そして、連続爆破事件の犯人は“日本映画のある一つの側面”の擬人化であるようにさえ感じられた。そう、皆殺しにされかねない“あの側面”についてだ。

それにしてもヤスケンさんのラストカット、笑ったなぁ。
岸田解

岸田解