ユースケ

ドラゴン×マッハ!のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ドラゴン×マッハ!(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【ドラゴン×マッハ!】という中二病丸出しの邦題を付けられてしまいましたが、原題は【殺破狼Ⅱ/SPL2】という事で本作は【SPL/狼よ静かに死ね】の10年ぶりの続編。
ウー・ジン(荒木飛呂彦先生ではありません)とサイモン・ヤムの続投以外前作と直接的な繋がりはありませんが、星の宿命に翻弄される男たちの物語をカンフーの至宝ウー・ジンとムエタイの神トニー・ジャーのダブル主演で描いたアクションてんこ盛りの一本です。

とにかく、スーツ姿でヤニをガンギメし、ラストバトルではウー・ジンとトニー・ジャーを手玉に取るダンチでレベチな強さを見せ付け、主演の二人を完全に食ったマックス・チャンの流麗なカンフーは必見。
一階ではウー・ジンとトニー・ジャーが携帯を奪い合い、二階ではマックス・チャンが無双乱舞をキメるワンカットの長回し風に撮影された刑務所での大乱闘は要チェック。

前作と直接的な繋がりがないので、前作を鑑賞しなくても楽しめるという話をちらほら耳にしますが、ウー・ジンとチャン・チー(眉なしの暗殺者)によるトンファーVSナイフ戦からマックス・チャンに高層ビルから突き落とされるウー・ジンの流れは、前作のドニー・イェンとウー・ジンによる特殊警棒VS長ドス戦からサモ・ハンに高層ビルから突き落とされるドニー・イェンの流れを再現しているので、前作を鑑賞していると、また悲劇が繰り返されるんじゃないかというドキドキを味わえると思います。

潜入捜査もの、監獄もの、難病ものなど、ジャンルがてんこ盛りな上、タイにいる白血病の娘の下に香港にいる骨髄ドナーが国境を越えてやって来たり、香港の海に落とした携帯とタイにいる持ち主が国境を越えて繋がったり、白血病の娘の余命が半年から3年に伸びたり、偶然が偶然を呼ぶご都合主義全開の展開もてんこ盛りですが、これだけのアクションとキャラ立ちを見せ付けられると、ラストバトルの邪魔にしか思えなかった白血病の娘と狼のくだりもルイス・クーと弟のくだりも含め、なんだか全てが凶星(七殺星・破軍星・貪狼星)の仕業に思えて納得できるような気がしてしまいます。でも、エンディングに流れるアニソンみたいな殺破狼の歌はさすがに過剰サービスでしたね。

出来る事ならば、【酔拳2】ではジャッキー・チェンを蹴りまくり、【スペシャルID 特殊身分】ではドニー・イェンを蹴りまくったロー・ワイコンの蹴りをもっと見たかったな…