ロエキエロ

スクリーム3のロエキエロのネタバレレビュー・内容・結末

スクリーム3(2000年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ホラー映画のパロディとして始まった本シリーズだが、本作は3作目にして映画のパロディというより映画界の闇とも言うべきハリウッドの性事情へ切り込んでいる。
女優たちが監督やプロデューサーと寝たと公言しているシーンなど現代を先取りしていたと言うべきか、現実が遅すぎたと言うべきか…
セックス関係だけでなく、殺された共演者への同情より自分のキャリアしか心配していない俳優たちなどハリウッドの残酷さを描いていて、監督も「これがハリウッドの現実だよ」とコメンタリーで言ってる。
虚飾の街は怖いなぁ。
ただそれをセリフとして言わせるだけでなく、殺人事件の背景にも関係しているという中々に複雑な作り。
更に本シリーズの特徴でもある映画パロディ要素もちゃんとあるのが嬉しい。
前作で殺害されてしまったランディが強引に再登場し、「3作目は今までの前提が覆される」とシドニーへ警告する。
その警告通り、1作目で起きた殺人事件の黒幕こそ今作の犯人だと判明するのだが、さらに「映画によって起きた殺人事件」だった前提が「映画界の闇によって起きた殺人事件」だったと覆されるので二重の意味になっている。(ランディが童貞じゃなかった点を含めると三重だろうか)
そして、「前提を覆しながらも原点に帰る」とランディが言い残したように、犯人はマザコン→母親→マザコンと1作目を踏襲している。またシドニーの持っていた母親への蟠りが消えるラストも原点回帰になっていて、完結編としてよくできているなあと思った。
結局これが完結編にはならなかったんだけど…
動画配信真っ盛りの現代だけど、DVDに入っているコメンタリーで制作裏話が色々聞ける。売れっ子だったネーヴキャンベルのスケジュールが合わなくてシドニーの出番が少ない脚本になった話などは、コメディ映画の舞台裏はもっとコメディという感じで面白かった。