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先生! 、、、好きになってもいいですか?のtetsuのレビュー・感想・評価

4.2
最近、お金が足りなくなってきまして、どうしたら出費を抑えられるか考えた末、試写会に応募することに...。
そして、この度、関西のTV局・MBS主催の試写会が奇跡的に当たったので鑑賞!!
(MBSさん、ありがとうございます!笑←ヨイショが露骨w)

高校の入学式、
新しい生活に胸をときめかせる"響"は、ある先生と目が合った。
彼は、世界史の"伊藤先生"。
ーーーそれから、1年。
高校二年生になった"響"は、
クラスメイトの"恵"や"浩介"と青春を謳歌していたが、恋をする彼らには、あまり共感できないでいた...。
そんな ある日、授業中に昼寝をしている"伊藤先生"を見つけた"響"が彼のピンチを助けた事から、次第に二人の距離が接近、
恋には興味がなかったはずの"響"だったが、いつの間にやら彼が見せる無防備な姿に好意を抱くようになるのであった...。

これは、全然期待していなかったのでw、予想外の傑作でビックリ!
意外な掘り出し物でした!

現在、同じく先生に恋をする映画として「ナラタージュ」が公開中ですが、友達などの評判から察するに、あちらが"陰"とすると、こちらは"陽"でしょう。

端的に言うと、
「アオハライド」の5000倍、
そして、「君の膵臓...」の1億倍
面白かったですし、
個人的には、今まで観た少女マンガ実写映画でベストかもしれません!
※個人の感想。

だいたい、こういう類いの少女マンガ実写化映画は、男子として、いかに突っ込んで観られるかを楽しみにするというのが基本のスタンスなので、
今作も序盤のあり得ない設定に、心の中で突っ込みながら観ていたのですが、中盤から予想を裏切る展開になったので、気づけば、すっかり夢中になってしまいましたね...。笑笑

特に、最近の青春映画は、ゆとり世代の観客に合わして、同世代の恋敵などを恋の障害として設定することが多いですが、"先生"と"生徒"という身分違いの恋になっているところが個人的には、新鮮で良かったです。
"先生と恋をするのはいけない"という、既存の価値観に苦しめられる"響"の姿が丁寧に描かれているので、そんな彼女の姿はまっすぐ過ぎて、切なかったですし...。

多様性が受け入れられる時代、LGBTや不倫など、様々な恋愛がテーマとされる昨今において、
恋は、どんな状況でも起こり得るからこそ、社会に決められた固定観念で真っ直ぐな恋愛を否定するのは間違っている。
そして、その関係が周囲にバレ、非難されようとも、そのあとの対応や行動によって事態は変わっていくというメッセージは、複雑な恋愛関係に悩む様々な人に勇気を与えてくれるのではないか、とも思いました。

また、僕としては、「三度目の殺人」で、女優"広瀬すず"さんの凄さを実感したため、今作で彼女の本職である"青春モノ"の演技を楽しみにしていたのですが、監督が意図していないとはいえ、
思いのほか「三度目の殺人」を彷彿とさせるシーンも多かったのが興味深かったです。

以下、該当シーン。
・炎に照らされる広瀬さんの顔のアップ
・主人公が片足をひきずりながら歩くシーン
・年上と恋をしてしまう広瀬さん
・広瀬さんの陰の見える演技

などなど、「三度目...」を観た人にも、あえて観ていただきたい作品でもありました。

最後に、
女性の方への見所を言うと、それは間違いなく、"生田斗真"さんでしょう。笑笑
「脳男」や「予告犯」など、近年でも若者役のイメージが強い彼ですが、今回の役は本当に渋い。
絶妙な塩対応をしてくれるので、例えるなら、和製"キリアン・マーフィー"さんみたいな感じでしたよ。笑
(↑例えが分かりづらい&ファンに怒られるw)

というわけで、
所詮、少女マンガの実写化映画であることは間違いないのですが、意外と中高生以上の大人の方の鑑賞にも堪えうる、名作恋愛映画でした!!

おまけ。
本作のつっこみどころをメモ程度にまとめてみました。
(ネタバレなので、鑑賞後に読むことをオススメします...。)

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まず、OPシーン。
入学式で校長先生が話をするのですが、その校長先生役が、あの"森本レオ"さん。
あまりにも、声に特徴がありすぎて、"機関車トーマス"が始まったのかと思いましたよ。笑笑

そして、序盤、主要人物全員が先生を好きになるという奇妙奇天烈な世界設定には驚きましたが、好意を伝えたいけど一歩を踏み出せないという恋そのものが持つものを、極端な状況下にすることで上手く伝えていたと思います。

また、教師同士が同じマンションに住んでいるという設定にも驚きましたね。笑笑
そこにやってくる広瀬たちというのが、また、レオパレスのCMっぽい。笑笑

その他にも、

・"伊藤先生"が比嘉さん扮する"中島先生"に告白されるのを隠れてこっそり見る高校生二人

・"伊藤先生"にフラれた"中島先生"が、生徒である響に本気で圧をかけにいくシーン

・カラオケで合コンする高校生

などなど、相当シュールな絵が見れるのも本作の魅力ですが、
オススメは、途中、広瀬さんが「調子のっちゃって」といってから、もし、これが"ゆりやんレトリバァ"だったらと想像して鑑賞すること。
ちなみに、僕は中盤の山場、屋上での胸キュンシーンで、会場が感動するなか、一人だけ笑いこらえていました。笑笑

ついでに、少女マンガ実写化あるあるも...。

・クライマックス、好きな人のところに急げ!展開。

・実は、都合良く相思相愛展開。

・自分が好きな人か、自分を好きな人を選ぶ展開。

・とりあえず、文化祭をもってくることで、絵的に盛り上げる展開。

こう、改めて見ると、
やっぱりこの手の映画って、相当、ご都合主義展開ですよね。笑笑
でも、それって、映画というフィクションだからこそできるもので、僕が未だに、この類いの映画に惹き付けられている要因は、そこにあるのかも知れません。笑



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参考

広瀬すずでまた漫画実写化?『先生!』主演決定にブーイングの嵐 - エキサイト ...
http://a.excite.co.jp/News/entertainment_g/20161030/DailyNews_1219122.html
(ぜひ、ブーイングした方にこそ、観ていただきたい!)

スピッツ「歌ウサギ」スペシャルショートムービー
https://youtu.be/7KKn4C9786k
(迂闊にネタバレの危険性がある予告を見るより、絶対にこっちを観てほしい!
映画の世界観で作られた"その後"の映像です!)

恋するレオパレス 3rd Season Web movie
https://youtu.be/R78LBK0sBjg
(なぜ、このリンクを貼ったのかは、映画をみれば分かります。笑笑)
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