七沖

先生! 、、、好きになってもいいですか?の七沖のレビュー・感想・評価

3.3
〝片想いのままでいいから、好きになっていいですか。〟
キャッチコピーを書いていて恥ずかしくなるくらい、内容も直球のラブストーリーだった。

高校2年生の響の初恋相手は、社会科教師の伊藤。思い切って告白するものの相手にされなかったが、響は社会科のテストで90点以上とったら好きでいさせて欲しいと食い下がり…というストーリー。

基本的に悪人はいないし、恋のライバルもいない。恋する響と伊藤の関係だけを丁寧に追っていく展開は、まさに三木監督の得意とするところなのだろう。
三木監督作品特有の優しい陽の光の使い方も健在で、個人的にこうしたテイストの作品は大好きだ。
主人公の響を演じた広瀬すずは、『ちはやふる』の千早でみせた「だらぁぁぁぁぁ!よっしゃぁぁぁぁぁ!」という感じの熱血キャラから一転、大人しく控えめなキャラを演じきっていた。
文化祭までの話は見ていてニヤニヤしてしまうほど微笑ましく、伊藤に恋をする響の可愛らしさが存分に出ていた。
だが、文化祭後のストーリー展開に気持ちが乗らず、なんだか無難な着地だな…と感じてしまった。悪意や敵意がないストーリーなので、盛り上がりに欠けている気がしする。
作中の「世の中に、好きになっちゃいけない人なんていないよ」という台詞はまさしく本作で一番言いたいことだと思うのだが、世間的に見れば生徒と教師の恋愛は禁断の関係なわけで……もう少し二人を逆境に置いて、ラストに向けてのストーリーを盛り上げて欲しかったというのが本音だ。
七沖

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