主人公のガブリエルは紛争地域から故郷の街へと帰還するが、そこには荒廃した世界が広がっていた‥‥
心エグられるラスト。
深刻な問題を扱った作品。
試みとしては良いとは思うんだけど、映画としての出来はあまり良くない気がする。
基本的には、上官との対話でガブリエルの身に起こった事を回想していくスラムドッグ・ミリオネア方式で時系列をバラバラに見せていくスタイル。
色んな時系列シーンの中に明らかに”衝撃のラスト7分間”に入れるべきシーンが混ざっているのが致命的やなと。
要はトリックのネタばらしをラストよりも前のシーンでやっちゃってしまっている。
その結果、”秘密”が明かされても全くカタルシスが生じないどころか、無駄に話をややこしくしているという印象を受ける。
また、序盤の”マンダウン”のくだりも露骨すぎるし、ラストでどうなるか大体予想がついてしまう一因となってしまった。
”なぜこうなってしまったのか”という根本的な部分は十分理解できるのだが、この様になってしまった過程はもう少し丁寧に描写すべきではないかと。
結局、”衝撃のラスト”と最後のテロップありきの脚本で本来伝えるべきものを見失っている気がする。