ポルりん

しまじろうと にじのオアシスのポルりんのレビュー・感想・評価

2.8
親子で観るは楽しめるが、一人で観るとキツイ作品。

あらすじ

しまじろうたちは、ガオガオさんが発明したモグール号に乗ったところ勝手に動きだし、砂漠にたどり着いてしまう。
驚くしまじろうたちの前に、元気いっぱいの女の子ココが現れる。
砂嵐のためにお母さんと離れ離れになったと聞いたしまじろうたちは、ココを助けようと決意する。


最近息子が「しまじろう」にハマっていることに伴い、己自身の「しまじろう」に関する知識を深める為、息子と一緒に鑑賞した。
正直、作品としての質は全然期待していなかったのだが、所々で子供の好奇心がそそられるような工夫がなされており、なかなか感心させられた。

まず、第1にストーリーが非常に分かり易く、本作のメインテーマでもある「家族愛」に関しても、乳幼児でも理解出来きやすいものとなっている。
また、劇中でしまじろうが危機的状況に陥ると視聴者に助け求めたり、視聴者にしまじろうを呼びかけるようにお願いしたりと、ただ観ながらストーリーを追うだけでなく視聴者(主に乳幼児)も参加出来るようなものとなるようになっている。

ここで感心したのが、しまじろうの参加した視聴者に対する対応だ。
今まで何作か参加型作品を鑑賞したが、どれも視聴者に助けを求めるだけ求めて、問題を解決したら何事もないかのように物語が進行するものであった。
ぶっちゃけパチンコの演出と同じで、視聴者がいくら応援しようが中指を立てようが結果は変わらないのだが、それでも助けを求めてそれに視聴者が答えてくれた体になっているのであれば、劇中で感謝の言葉を一つくらい言うべきだと思っていた。
それに対し本作では助けを求めて問題が解決した後、必ずキャラクターが感謝の言葉を言うのでこちらとしても気分が良いし、何よりも教育に非常に良い。

それ以外にもメインストーリーの合間に乳幼児にウケそうな漫才が入ったり、アニメーションから人形劇に切り替わったりと、乳幼児が飽きないような工夫が成されている。
乳幼児の健康面も考えてインターバルを設けたり、親子で楽しめるようにもなっている。

とはいえ、装置の開発に携わった事のある親としてはガオガオさんの行動は目に余るものがある。

とりあえず、ものの数分でマントルまで潜るような危険なマシンなのに、設計の基本中の基本であるフェイルセーフやフールプルーフといった概念が存在しないのはどうなんだろうか・・・。
もしもの為とか言って、子供が喜びそうなメガホンを内蔵する暇があるんだったら安全装置の一つでも組み込んどけや ( ゜Д゜)ヴォケ!!
そもそも、1つのスイッチを押しただけでマントルまで穴を掘るってどんなプログラムを入れてんだ!
もはや、幼稚園児達と共に無理心中しようとしてるとしか思えない。

あと、100%ガオガオさんが原因で幼稚園児達が見知らぬ砂漠に来る事になったのに、自分の発明品ばかり気にして子供達は放置ってどういう神経してんだ (゜Д゜)ゴルァ!!
おかげで若干1名、ワニに食われかけたぞ!!

ガオガオさん「ごめん!!マシンが暴走しちゃって、子供達と良く分かんない砂漠まで来ちゃった(*´・∀<)テヘペロッ」

みたいなメールを親に送ったくらいの対応しかしてないが、警察にも電話しろや!!!
そして幼稚園児達を勝手に行動させんな( ゜Д゜)ドルァ!!

糞まみれの水を浴びるなどのアクシデントがありながらも、なんとか子供達は無事家に帰還する。
これに関しては微笑ましい事なのだが、ほとんど未成年誘拐に近い事をやったガオガオさんは何故か誇らしげだ。
しまじろうのパパに向って、

ガオガオさん「子供達はこの冒険によって一回り大きく成長しました( ̄^ ̄) ドヤッ!」

とドヤ顔をしているが、とりあえずしまじろうのパパは笑ってないで、ガオガオさんを生き埋めにするか、糞尿まみれの肥溜めに沈めるかをした方がいいと思う。
恐らく戸愚呂(弟)がガオガオさんの所業を知ったら、

戸愚呂(弟)「元人間の俺の経験からみて、今のおまえに足りないものがある。危機感だ。お前、もしかしてまだ…… 自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」

といい島の外まで殴り飛ばすだろう。

あと、ガオガオさんとは関係ないのだが、人形劇のしまじろう達の表情が常に笑顔というのはどうなんだ・・・。
移動シーンとかならまだしも、巨大蛇に襲撃されている際も笑顔なので、しまじろう達が超ドMにしか思えないのだが・・・。

それと、本作のタイトルは「しまじろうとにじのオアシス」となっているが、正確には「しまじろうと糞まみれのオアシス」だと思う。
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