ノラネコの呑んで観るシネマ

娘よのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

娘よ(2014年製作の映画)
4.2
敵対する一族のロリコンジジイに、まだ幼い娘が嫁がされることを知って、母が逃亡を決断。
もし捕まれば、所謂名誉殺人によって確実に殺される。
これはまさに、パキスタン版「怒りのデス・ロード」だ。
マックスに当たるキャラクターもいるし、構造は非常によく似ている。
違いは、コッチは必ずしもフィクションじゃないということ。
同じ国でも大都市とは違い、女性に人権がほぼ無く、命の価値も紙ほどの野蛮な部族社会。
「結婚は人生の終わり」ということを身をもって知るからこそ、母は娘のために命をかける。
男たちの意識も画一的ではなく、バランスをとって描かれている。
シンプルな物語はスリリングに展開し、最後まで飽きさせない。
物語の畳み方もなかなか巧み。
残念ながら、この世界には21世紀と中世が混在している。
名誉殺人が、完全に不名誉と認識されるのはいつのことなのだろう。
ブログ記事:
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