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破裏拳ポリマーのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

破裏拳ポリマー(2017年製作の映画)
4.7
過激化し増え続ける組織犯罪に対抗するため、警視庁と防衛省は極秘裏に提携し、重火器の無効化、組織に対する単体での攻撃力、機動力を兼ね備えた特殊装甲スーツ“ポリマースーツ”を開発した。しかし当時の警視総監は、軍隊をも破壊できる絶大な力を手にすることを危険視し、開発の中止を命令、すでに完成していたポリマースーツはその力を封印された。数年後、新たに就任した警視総監(神保悟志)の指示で、ポリマースーツの開発が再開される。だが、テスト版ポリマースーツのうち3体が盗まれ、その強大な力を使った犯罪が多発する。悪用されるポリマースーツを取り戻すには、完全版である封印されたオリジナルの紅きポリマースーツを使うしかない。しかし、その封印を解き、最強のポリマースーツを起動させられるのは、世界でただ一人の人物の持つ特定の声によるダイアローグコードだけだった。刑事部長の土岐田(長谷川初範)は、最強拳法・破裏拳の唯一の継承者でありながら元ストリートファイターで、今は探偵をしている鎧武士(溝端淳平)に捜査の協力を求める。実は彼こそ、ポリマースーツを起動させることができる声の持ち主だった。武士は大の警察嫌いだったが、ポリマースーツの研究者・稗田玲(原幹恵)の魅力に惹かれ、協力を承諾する。相棒は心優しき新米刑事の来間譲一(山田裕貴)、助手は事務所の大家であり自称・探偵助手の南波テル(柳ゆり菜)だ。そんななか、事件が起こる。なぜ自分の声がダイアローグコードなのか分からないままポリマースーツを起動させる武士だったが、その力を目の当たりにする。ポリマースーツが破裏拳の破壊力を増大させ、無敵のヒーローになったのだ。捜査を進めるにつれ裏切りと過去の秘密が明らかになっていき、世界をも転覆させる巨大な陰謀が暴かれていく。そして、紅きポリマースーツに隠された謎とは……?
タツノコプロの同名アニメを、実写化。
坂本浩一監督というと、「赤×ピンク」「KIRI」など、強く美しい女性の格闘アクションに定評があるが、今回は溝端淳平が本格的な空手アクションに挑むということを軸にした特撮格闘アクションに挑んでいる。
肉体改造して本格的な空手アクションに挑む溝端淳平の空手アクションは、ワイヤーワークとの組み合わせで、破裏拳流空手の必殺技「破裏拳」「反動三段蹴り」「真空片手独楽」などを見事に実写化しているし、武士VSウォンの格闘バトルは破裏拳流を習得している者同士のバトルはスリリングだし、武士VS犯罪者集団のバトルはトリッキーな格闘バトルが、ラストの武士VS黒幕とのバトルでは総合格闘バトルが楽しめる。警視庁が対テロ対策のために開発中のポリマースーツに隠された武士の父親の願い、ポリマースーツ開発をめぐっての警視庁内部の対立を絡めて、ポリマースーツを強奪した犯人、ポリマースーツを何故敵が分割して装着していたかの謎解きと武士がヒーローに覚醒していく展開が組み合わさって、タツノコプロのアニメお得意の王道ヒーローものとして楽しめる。
武士と来間のユーモラスなバディ関係も、原幹恵の悪女ぶりも楽しく、タツノコプロのアニメ実写化作品では「ヤッターマン」に並ぶ傑作アクション映画。
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