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カーズ/クロスロードのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)
4.0
【挫折経験者必見!厭世からの卒業】
ディズニー×ピクサー映画「カーズ」シリーズ3作目。実は、最初の作品はマイケル・J・フォックスの「ドク・ハリウッド」のパクリ且つラストが気にくわなかったので、食指が動かなかったのですが、観てきました。


これが怪作。本当に子ども向け?いくらなんでもハード過ぎるのではと思う程、鬱の薫り包む傑作でした。


華のレーサー、マックイーンが次世代レーサーに勝てなくなるところから始まる。IoTの限りを尽くしたレーサーの出現で次々と老レーサーが引退していく。


世間もマックイーンに引退を囁く中、彼はもう一度返り咲く為に奮闘する。


大人になった者が観ると、「やめて、もうマックイーンのライフはゼロよ!」と叫びたくなる程徹底して嫌な地獄、厭世的な世界を魅せてくる。完全にレーサーとして引退する流れができているのならまだ天国。


しかし、マックイーンの前に下手に新しいスポンサーが付いてしまうのです。一抹の光をチラつかせて、何度も「引退」を突きつける地獄。結果が出せなかったら即クビな状況。相変わらず、世間はマックイーンを忘れず執拗に追回し嘲笑する。なんて生々しい世界なんだと圧倒させられました。


それでもって、希望を失わずに、新しい自分の生き様、居場所を開拓する。その淡い青春っぷりに私の心は鷲掴みにされました。栄光からの挫折、そして復活を経験した人には堪らない作品なのは間違いない。


ただし、ディズニー、ピクサー映画故か?
物語を丸く収めようとし過ぎて、ラストが「えっ〜それでいいの〜」な内容だったのが憎き紅のシミ。非常に惜しい作品と言えよう。


P.S.
次世代レーサー役の吹替を担当した、オリラジの藤森さんの演技が中々うまかったぞ!
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