このレビューはネタバレを含みます
(短評)
いわゆる"世代交代"の物語。
己の限界を知ったマックイーンの最後のレースを描いたシリーズ完結編。
続編が作られる度に、思考がリセットされ、勝利欲旺盛なやつに戻る主人公が鼻につく。
新たなる強敵・ストームに打ち勝つため、新しいトレーニングに励むところまでは良かったが、如何せん、自身を喪失したマックイーンの再生物語である以上、それ以上でもそれ以下でもない印象。特に"世代交代"を匂わせるクライマックスは予想通りだが、問題は世代交代の仕方。これは露骨すぎるし、無理があるのではないか。あれで優勝は他のレーサーに失礼。最初からあのトレーナーが出場すればいいのに。
ラジエータースプリングスの面々の出番も少なく、一作目で築いた絆はどこへやら。メーターとかのコントはほぼ無しなので笑いどころも少ない。
レースシーンは多目、引き際を描いたからこそ、子供より大人向きに作られたと思われる本作。『トイ・ストーリー3』のような哀愁漂う印象が強い。ただクライマックスは擁護しがたい、非常に惜しい作品に思えた。