初めて映画館で行き、観た「カーズ」から11年。思い入れはとてつもなく強い。
冒頭からドックが登場し、そして「Run That Race」にのせてレースシーンで物語が開幕して、「そうそう、これがカーズだよ!!」とちびっ子に戻ったかのように興奮した。
しかし自分の幼い頃からの尊敬の対象である”マックイーン”が、新世代の台頭によって負けていき、ドックのようにクラッシュしてしまうシーンは見ててとてつもなく苦しかった。
そこからマックイーンは再帰を図るが、結果的には復帰レース直前まで新世代のエースにジャクソン・ストームへの勝算がなかった...。
本当に辛かった。時代が変わり、盛者必衰を避けることはできない。自分はただ、永遠に、幼い頃に目に焼き付いた、強いマックイーンを見ていたかった。
今回も、復帰してストームに勝つマックイーンを見たかった。
でも、ここで勝たせないのが、ピクサーは流石だなと感じた。この展開であるからこそ、リアリティや物語の厚みが生まれたんだと思う。
マックイーンは最終的に、時代の変化を受け入れ、教えていく若手を見つけ、師匠のドックのように指導していく道を選ぶ。
マックイーンは僕らから見たら最高の存在であっても、繰り返される時代の循環の一つに過ぎない。
時代はいずれ変わる、受け入れなければ。
一時代を築いたマックイーンに、最上級の感謝を込めて。