やし

亜人のやしのレビュー・感想・評価

亜人(2017年製作の映画)
1.6
"亜人"って、、、何?


最近、ジョジョ実写版を観て、
「評判悪いのに面白い」体験をしたばかりだったので油断してたけど、
「そうだ、実写版にはハズレも多い」
んだった。


原作は10巻ほどまで既読。
愛好…とまではいかないが好きな部類の漫画。

読み込みは浅いけど、それでもこの実写化映画のキャラは薄っぺらに感じた。

キャラが作り込まれていない。
(てか、原作のキャラを出し切れていない)

主人公の永井(佐藤健)からして、彼がどういう人生を送ってきたのか、
"亜人"をどう思っていたのか、
そこんとこ丸無視。

原作では、自分が亜人と分かってから人間の汚い部分を目の当たりにし、元々あった冷徹な利己的な性格が強く発現して人間と距離を置くようになる。
それでも人間に敵対する亜人佐藤(綾野剛)に対峙する。
そんな複雑さも丸無視。

また、彼の生来からの能力の高さ故の頭脳的な作戦も原作のようなカタルシスはなく、
なぜ警備員に扮装していたのかもナゾだったよね。。(ネタバレに非ず)


で、もっともキャラが酷かったのは、ダントツで下村 泉(川栄李奈)、
彼女の違和感はエンディングまで消えることがなかった。
女性として見れば可愛いのだが、下村を演じるには可愛らし過ぎる。
これは演技力どうこうではなく、完全にミスキャストだと思う。
永井の妹から言われる「もっと怖い人だと思っていました」が、全くトンチンカンなセリフに聞こえた。

彼女がなぜ戸崎(玉山鉄二)に寄り添い守っているのかもサッパリだし、そもそも戸崎という人物の説明もないから観客は最後まで「誰?」って感じだよね、あれじゃ。


そんななか、亜人であり、人間の反乱勢力としての佐藤、田中(城田優)の二人は、よく出来ていた方なのかな。
この二人のシーンは安定していた。
ちなみに亜人メンバーの一人で千葉雄大くんが出演しているが、これも無駄遣い。


演出面では、冒頭の人体実験シーンからして酷い。
観客にオープニングからインパクトを与えたかったのだろうが、思い切りがなさすぎて目を背けたくなるようなグロシーンは無く、中途半端極まりない。

エンディングもまるで少年漫画のような『マトリックス』のような終わり方をしていたけど、これ原作は青年漫画だよ?

原作の持つダークな魅力は最後まで見られずザンネンな結果に。


そんな訳で本作の見どころは、
佐藤vsSAT(警視庁特殊強襲部隊)、
佐藤vs永井、
ぐらい。



あっ、他にあったわ。

綾野剛と、チラッとだけ映る佐藤健の鍛えられた肉体美。
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