アラサーちゃん

スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー/純愛日記のアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
スウェーデンの田舎町で暮らす15歳の少年ペールは、ある日、アニカという少女に一目惚れする。アニカもペールのことが気になっており、お互い声をかけることができないでいるのを見兼ねたそれぞれの友人が仲を取り持ち、二人は親しくなっていく。しかし、それが面白くないアニカの男友達が、皆の前でペールを叩きのめしてしまう。1970年、典。

北欧版「小さな恋のメロディ」を観る。
煙草をふかし、バイクを乗り回す15歳の少年。ライダースとミニスカで煙草をふかす少女。まさに北欧の子どもっていう愛らしい顔立ちなのにふたりともませた青春時代を送っていて、それなのに恋に対してこんなにもピュア。
仲間たちと過ごすときの世間に対してまるで冷めたような表情と、二人でいる時の無防備で無邪気なあどけない表情。このギャップがたまらん。単に「小さな恋のメロディ」とは言いがたい、独特の空気感があります。

このふたりの単なる純愛日記として見たらそれまでなんですが、これは彼らを取り囲む大人がいるからなお面白く感じられる映画。
ふたりの両親、周囲の大人はどこか難癖のある人間ばかりで、ふたりはそんな大人たちに心の中で反発している。外界を恐れる入院中の祖父や仕事にやりがいを感じられない父、孤独に耐えられない叔母。歳をとってくたびれた大人のなかでの人間形成と、若くて青い彼らのとにかく純粋なひたむきさの対比がなんとも絶妙で見事◎です。

主人公ペールの友人に「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセンが出ているんですけど、今から45年前のこの人、もうとにかく美少年です。ペールよりもこっちに目が行ってしまう。
なんといってもアニカの可愛さがとにかくたまんないんですけどね。ほんとに可愛いです。元祖ツンデレなんではなかろうか。