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光のdarumaのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
4.0
河瀨直美監督。これは…メタ構造がグッとくる作品ですね。喪失がテーマかなと思います。父親を失い、さらに母親も進行形で失いかけている女性と、視力を失いかけている男性。劇中映画では妻を失いかけている男性(で合ってるかな?)。映画の音声ガイドの存在は知っていたけど、制作過程は全く知らなかったのでその点も興味深かった。

序盤、河瀨マジックにかかり(どうしても眠くなります…映像があまりにもリアルすぎて。あと台詞が少ない。近日公開されるオリンピックのもそうですが、いかにもドキュメンタリー向きの監督だと思います)、行きつ戻りつしましたが、最後、なるほど!
劇中映画の最後がどうなるのか、という点も気になるので、そういう意味でもかなり後半は引き込まれました。

永瀬正敏さんは「あん」ですよね。
そしてまさかの!(エンドロールで気づいた。よく見て!^^)

主演の水崎綾女さん、とてもよかったです。
綺麗系の女優さんがぴったりの役。

小市慢太郎さんと神野三鈴さんは、なんかもうこういう役が鉄板!という感じです(めちゃくちゃ褒めてる!)
あと大西信満さんもわかりました^^(柴公園で好きになりました)

尺が100分程度とそこまで長くないので、わりとわかりやすく「(監督に対して)それ言っちゃいかんやつ…!」とか(でもこれは意外と伏線になっているかもしれない。上手く回収されてる気もする)、偶然の産物とかフィクション仕立てになっている部分も多々ありますが、総じて、綺麗な作品。

(監督は奈良ご出身ですよね…ぬかるみのシーンだけは最初えー!って思いましたが(やらせっぽいというか、解かるだろう…と)、でもこれきっと地元だからそういうの体験的にあるんだろうな…と後から気付いて、おお…と思いました)

途中、ドラマ「愛し君へ」を思い出しました。
最後に見たいものは何ですか…
(絶対泣けるやつですよね。いまだにタイトル憶えているという事は、私の中で余程印象深い作品なのだと思います)

劇中映画、実際に作品があるんですね。観てみたいです。
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