ミュージカルベアー

光のミュージカルベアーのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
3.9
【目の前から消えてしまうものほど美しいものです】

前作「あん」でのバリアフリー映画化で、音声ガイドに魅了され新たな脚本を書いた河瀬直美監督の最新作。
ラブストーリーとしてよりも、「音声ガイド」の世界に惹かれ、その映像美にも心動かされました。

段々と大切な視力を失っていく永瀬正敏演じるカメラマンの中森と、視覚障碍者の為に映画に音声ガイドを付ける仕事(describer)に挑む美佐子。

山里に暮らす認知症が進んだ母親と、素敵な想い出に包まれた時、心の景色を映し出す【丁度良い言葉】が紡ぎ出されるのでした。

目が見えない人達の豊かな想像力、認知症が進む母親の薄れない愛情の想い出、そうした言葉を超えた【想い】と、ガイドの選んだ言葉で繋がる。

ピアニストの仲代道代さんは、「説明される程に感動が薄まる気がする。だから、(創作芸術を)説明しない様にどう説明するか?に取り組んでいるが、大変難しい」と、先日講演で語られておりました。

この映画も説明より、是非観て感じて下さい~。(^^ゞ