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光のpandaのレビュー・感想・評価

(2017年製作の映画)
4.4
想像力ってなんだろう。
人間は言葉が使えて
想像ができる生き物だけど
だからこそ他者に伝えることの難しさ
矛盾を抱えている生き物だなぁと感じました。
映画という映像のもつメッセージを
目の見えない人たちに届けるための言葉。
それぞれの人の中にある想像力を邪魔しないで寄り添う言葉を選ぶなんて
正直無理だと思います。
劇中の作品の音声ガイドを何度も練り直して
最後の観客の表情を見た時も、
私の中では少し違和感があって
それが答えだな、と。

光をなくしつつある元写真家を
そういうステレオタイプではなく
ひとりの人としてみた時に
ご自身も写真を撮る永瀬正敏さんの演技がほんとに心に刺さりました。
受け手てある水崎綾女さんも素晴らしかった。

視覚障害をもつ方たちの話ではなくて
他者を理解することは難しい、
というか無理で、
でも希望でも絶望でもなくて、
縁とか広い意味での愛情とかそんなものの象徴が光なのかな。

それにしても、
この情緒たっぷりの世界観
言葉が少なくて、
喧騒に感じる音は強め
(もちろん、わざとでしょう)
この映画自体の音声ガイドこそ、
めちゃくちゃ難しいだろうなぁ……

視覚障害のある方のセリフの中にあった
映画を観る時見えている世界はスクリーンに収まっていない
という言葉に、なんか、震えた。
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