2016年 デンマーク 監督:ハンス・ペテル・モランド 2022.08.16視聴-372
評価3.6
●ニコライ・リー・コス(カール)
●ファレス・ファレス(アサド)
●ポール・スヴェーレン・バーゲン(ヨハンズ)
私はいつも思うのだが、誘拐罪の1年から10年の懲役は軽すぎるのではないかと。どんな目的であれ、この非道な行為が10年以内というのは余りに軽すぎる。
非道で、卑怯な誘拐事件を扱ったドラマは、腹立たしくて、その腹だたしさが最終的に逮捕で終わっても収まらない。満たされることはない。犯人が殺されても同じだ。
今回、カールとアサドのコンビが挑むのは、海辺に流れ着いたボトルメールの謎。
ボトルから取り出された手紙には「助けて」文字があった。分析の結果8年前の物と分かる。
このPの捜査の途中、2人の子供が拉致される現場を見たとの情報が入る。しかし、近くの両親からの不明者通報はなかった。
やがて、Qの捜査はこの拉致に宗教がからんでいることに行き着く。
結果はやはり誘拐事件なのだ。
犯人役のポール・スヴェーレン・バーゲンが憎たらしい。しかも進出鬼没。強すぎる。カールまで彼の手に落ちる。Qは絶対絶命のピンチに追い込まれる。
誘拐を扱った映画といえば、まず頭に浮かぶのは、黒澤の「天国と地獄」だが、この映画、あの有名な列車シーンを再現している。
ただ、えーっと思うのは、天国と地獄は小さな窓からお金を投げ出すが、この映画、扉から投げ出すのだ。扉が簡単に開けられるのだ。本当だろうかと思ってしまう。それが原因で被害者の父親はその扉から飛び降りる。ありえない。
いろいろ不満もある。腹立たしさがまだ残っているが、面白さは維持してあることは認める。
良質なサスペンス・スリラー22