鹿江光

特捜部Q Pからのメッセージの鹿江光のレビュー・感想・評価

特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)
3.5
≪70点≫:無垢なる心に悪魔の祈り。
映画版の特捜部Qも3作目に突入。2作目『キジ殺し』同様に、かなり序盤で犯人が分かった状態で事件が進んでいく。今回は宗教や信仰が絡み、闇の深さが一際目立っていた。殺人の動機も復讐や怨恨といった人間生来の感情ではなく、神の不在だの、無神論だの、悪魔の囁きだの、正攻法では太刀打ちできない事件であった。信仰心の脆さを利用して隙を突くことで、信仰心の強さと深さを説くような、そんなメッセージ性が込められている気がする。
でも実際はこういった以上の事件が起きているわけで……いくらなんでも信じる行為にだって限界があるよね……。そりゃあ神の不在を受け入れたくもなる。
作品自体は相変わらず北欧ノワールな雰囲気全開で心地良い。刑事2人の関係性も自然になってきたかな。もう続編はやらないのだろうか。年1回行事で観たいような気もする。
鹿江光

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