舞台はミッドセンチュリーのNY。主人公ウォルターは建築家として成功しつつも、ミステリー作家に転身しようと、殺人の新聞記事を収集している。
妻は美人だがヒステリックな性格で、性格が合わないウォルターとしばしば大喧嘩をしている。彼はやがて小説のなかで妻殺しを妄想するようになるのだが、その矢先、長距離バスで実家に出かけたはずの妻の死体が発見される。
出だしからヒッチコックライクな巻き込まれサスペンスで、完全に俺好み。調べてみたら原作がパトリシア・ハイスミスじゃないですか!
ハイスミスといえば「太陽がいっぱい」「見知らぬ乗客」「アメリカの友人」など名作クラシックの原作を物したミステリー作家。面白くないわけがない。
彼女の作品は、ここ数年でも「ギリシャに消えた嘘」とか「キャロル」とか映像化が絶えない。そしてそのいずれもが水準以上の作品になっている。
ハイスミスの作品は(1)映像化に向いている。(2)作風がハイブロウなためか日本の観客にほとんどウケない、という特徴があるようだ。