チーズマン

氷菓のチーズマンのレビュー・感想・評価

氷菓(2017年製作の映画)
2.6
そんな気はしてたんです…。

高校の古典部が色々と謎解きをする学園推理ミステリーです。

TVアニメ版と原作小説と、両方結構好きなのできっと余計にそう思うんでしょう、上手くいってない映画化の典型的なやつだなあと思って最後まで観てました。

単純に映画化には向いてないタイプのシリーズなんです。
氷菓というか古典部シリーズですが、高校生の日常の範囲内なので個人的にはそこまで推理ミステリーの部分の強さや面白さがあるわけじゃないです。

じゃあ何が良いかと言われれば謎を解いた先に高校生が味わうにはとても苦い余韻が残る。
でも、それは学園生活の日常という緩さに溶けていく。
それを何回もエピソードを重ねていく事によって、登場人物達全てに、そしてその学園生活に非常にビター&スイートな味わい深さがどんどん増していくという。
つまりエピソードの2つや3つで面白さがわかるという類ではなく、もう一度言いますがミステリー謎解きがメインのシリーズではないということです。

そうすると、この映画版は、その短い時間で登場人物達のビター&スイートを積み重ねた先にある味わいなんて描くのは不可能、結果ミステリー謎解きをど真ん中に据えるしかないわけですが、その結果は…ということです。
取って付けたような苦味も違和感でしかなかったです。

それ以外にキャストとか演出や構成にかなり無理があることなど言ってたらキリがないので、良かったところを言いたいです。
後半で、とある人物が校庭で慟哭するシーンがありますが、あれはアニメとも小説とも違う映画らしく観せてくれる良い場面でした。
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