NaoMaru

gifted/ギフテッドのNaoMaruのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.3
マーク・ウェブ監督作品

【内容】
主人公は亡き姉の娘メアリーと彼女を育てる叔父のフランク。彼女は小学校に通うと数学の天才とわかるが、彼は姉の遺言通り普通に育てようとする。だがメアリーの祖母(フランクの母)は、英才教育を受けさせるため裁判で親権をあらそう。調停の結果、里親に預けることになるが、祖母と里親は裏で通じていた。里親の家でメアリーは「一緒にいるって言ったのに!」と泣きながら叔父フランクに怒りをぶつけた。

フランクの母エブリンはその昔、娘である亡き姉と葛藤状態にあって修復不能な関係だった。彼は亡き姉から重大な秘密を聞いていた。終盤、彼は母にその秘密をぶち撒けて、お互いの生きる道を提案し、母に決断を委ねる。エブリンから続く女系三代の因縁は断ち切れるだろうか――。ラストは、メアリーが「我フレッド(片目の猫)を思う。故に我あり」とフランクに微笑んだ。

【感想】
家族にまつわる葛藤や愛情について、時にはシリアスに時にはユーモアを交えながら、やさしく描かれている。タイトルの「ギフテッド」は、IQ130以上の子供たちを言い、メアリーが該当する。天才児という喜ばしい反面、周りの子供に理解されない、親の愛情が得られにくいケースもある。メアリーの母もギフテッドで、子供らしい生活や母親からの愛情が満足に得られなかった。

登場人物では、隣家の黒人のおばさんはいつも励ましてくれて凄く温かい。フランクと親しくなるメアリーの担任教師は親身になって見守ってくれる。そして、いつも傍にいて癒やしの存在である片目の猫フレッド。周りの愛情に恵まれたふたりは最高のコンビだ。すぐ傍にいる家族の大切さを教えてくれた。終盤は目頭が熱くなり涙目が続くが、結末は爽やかな余韻に浸った。
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