takywalker

gifted/ギフテッドのtakywalkerのネタバレレビュー・内容・結末

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

マーク・ウェブ監督の最新作。
それだけで自分の期待値は限界まで高まっていた。

アメコミ映画がそこまで得意では無いのでアメイジング・スパイダーマンは未見だが、(500)日のサマーが自身を映画好きに変えてくれた映画であると断言出来るほどには、あの監督の手腕を買っていた。

ジャンルとしてはホームドラマということで、これまでの作品とは全く異なったジャンルの映画を彼がどう表現するのかも楽しみだった。

結果、この映画は、彼で無くても撮れたのではないかというのが正直な感想。

ホームドラマというジャンルが決して嫌いな訳では無い。この映画と比較されがちな、クレイマークレイマーやアイアムサムは秀作であると同時にかなり自分好みの作品だった。

では、何故この作品が自分にはまらなかったのか、監督の技巧が感じられなかったのか。
それは、この作品の構造が二元的になってしまっており、その2つの流れが最後まであまり合致しなかったというのが最大の原因であるように自分は思う。

マッケナ・グレイス演じるメアリーは子役としてなかなか独特の光るものがあったし、演技もハイレベルだった。クリス・エヴァンスもキャプテンアメリカの時とは打って変わって、くたびれた大人をまさに体現していた。

2人の家族愛ドラマと、イブリンとフランクの対立、先に挙げた2作品でも、同じような構図で物語は進むのだが、この映画では、ここにメアリーの母であるフランクの姉が加わってくる。もちろんドラマ性は高まるのだが、彼女の存在が物語をややこしく、噛み合わなくさせてしまっていると自分は強く感じた。

最後のオチでも、その2つの流れは全く噛み合わないまま物語は終わりを迎える。

このようなまとまりのない映画なら、正直マーク・ウェブで無くても撮れるんじゃないだろうか。
脚本が悪かったのか?アメイジングスパイダーマンを経験したことで作風が変わってしまったのか?
極めて残念である。
takywalker

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