ロッツォ國友

gifted/ギフテッドのロッツォ國友のレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.0
おはようございます
スティーブンソン先生


ハイハイよくある天才子供持て余しストーリーでしょ〜ハイハイハイって感じでスカした感じで行きました(もはや何故行ったのか)が、これがちょいと予想を避けた感じのストーリー展開になってまして、拙者、思いの外うるうる仕りまして候。


タイトルはGifted(与えられたもの=才能)だけども、着地は才能そのものの扱いではない、というところがミソ。
足が速いとか、覚えがいいとか、歌が上手いとか算数が得意とかの才能は、それはそれとして評価されて然るべきだけども、とは言え一番重要なことは、一人の人間として「どうしたいのか」であって、社会においてどんな利用価値があるかだけで人の存在意義を決めつけるべきではないのかも。


ぶっきらぼうでありながら優しさの滲み出るアル中ヒゲ男と、笑顔がキュートなアバズレ先生がとってもいい感じ。
全面的に画面から優しさがドバドバ流れ出る小春日和仕様の本作だが、キツいユーモアの効いた掛け合いは知性に満ちているし、映るキャラクターの心情がストレートに伝わるカメラワークや音楽チョイスがイイ感じにハマっており、ディテールの隅々までムダがなく好印象。
優しさだけでなく、堅実な知性と技術を持った人達だからこそ作れた作品と言えよう。


また演技における小さな目配せや口角の小さな動きやセリフの言い回しなど、細かな演技にも全くと言っていいほど余計な動作が無いのにはかなり驚いた。

こういう作品は画面内の動きが小さくなる為、観ている我々もキャラクターの表情やセリフの端々まで注視するようになる。
そこでシーンにそぐわない目や口角の動きとか、何を考えているのか分からないセリフ回しがあるとかなり困惑する。

本作にはそれがなかった。
一人一人の気持ちや考えがよく伝わってくるし、だからこそエモーショナルなシーンにはすんなりと感情移入できる。
さりげないけど、見事な演出力だと思う。
目の前に現れたGiftedに相対する大人達の目が、表情が、言葉が、時に優しく、時に冷たく此方に伝わってくる。
上手いっすね。良かったっす。


あとスカした小学6年生みたいな神経の俺の心を打ったのがあの待合室のシーンだけど、アレは圧倒的アイデアの勝利ですなぁ。
もうあの流れは本作の専売特許と言える(他の作品にあったらごめんなさい)し、本作の忘れられない名シーンになったと思う。
というか待合室のくだり以後のシーン全部良かった。グイグイ心に来た。
親を知らない子へのサプライズにあんな粋な発想があったなんて…脱帽っす。本当にすごい。


劇場でも彼方此方ですすり声的なのが聞こえて良かった。
いや、良いタイミングで素晴らしい作品に出会えた。


本当にグロいシーンとかそういうのが一切ない、老若男女全員が観れる理想郷みたいな映画で俺みたいなゴミサラリーマンには眩しいくらいの逸品でしたが、とっても楽しめました!
なーんも言うことねえわ!
ありがとう!
土下座!!








俺も学校の先生と付き合いたい………………………
子供居なくても授業参観とかできねえのかな…………………………
ロッツォ國友

ロッツォ國友