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gifted/ギフテッドの小のネタバレレビュー・内容・結末

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

先天的に知的水準が極めて高い、いわゆる天才児を、普通に育てるのと、英才教育を施すのとでは、どちらがその子にとって幸せか…。主人公のフランクが囚われていたこの対立軸で見てしまったためちょっとモヤモヤしたけれど、これって、フランク叔父さんの成長物語なんですね。

叔父のフランクは生まれて間もなく母を亡くした姉の娘メアリーの父親代わりとなって、片目の猫フレッドと一緒に暮らしていた。メアリーは数学の天才児だったが、フランクは普通に育てることに決め、メアリーの事情を知るのは彼女の面倒をよくみてくれる隣人のロバータおばさんだけだった。

しかし、メアリーが小学生になり学校に通い始めると、秘密が明らかになる。メアリーを天才児教育の学校へ転校するよう勧める周囲の声を頑なに拒否するフランクだったが、ある日、彼の母エブリンが現れ、メアリーをフランクから引き離し英才教育を施そうとする。

フランクが、才能を生かさなくても良いからメアリーを普通に育てたいと思っているのは、多分姉の死がトラウマとなっているからで、メアリーのためであるという確固たる確信があるわけではない。

普通の学校に通うのがとても退屈そうで、遊んで楽しいのはロバータおばさんというメアリーに、フランクは本当に普通に育ててよいのかと葛藤している。

そうしたこともあり、母エブリンと対立し追い詰められたフランクは、ついに妥協してしまう。その妥協を後悔しているさなか、片目の猫フレッドの危機を知り、はっきりと気付くのだ。

メアリーにとって本当に必要なのは、普通に育てること、英才教育を施すことのどちらでもなく、メアリーが愛し、メアリーを愛する家族だということを。それさえあればどんな教育をしようが恐れることはない。メアリーはきっと幸せになれると。

フランクが亡き姉から託された秘密が、母エブリンにそのことを納得させるカギにもなっていて、なかなか良くできた物語だなあ、と。

ただ、ラストのシーンはどうなのよ? あれって、メアリーは楽しいフリをしているのですかね? 楽しいフリをしているうちに本当に楽しくなっちゃったのかな?

ということで、気になった点はあったものの、メアリー役のマッケンナ・グレイスちゃんがイイ感じに小生意気で可愛くて、本当に天才児みたいなこともあって、まずまず入り込めました。

●物語(50%×4.0):2.00
・ロバータおばさんでないと楽しくないんじゃないんかい的なオチはともかく、楽しめた。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・メアリーいいわー。苦悩するフランクも良かった。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・フロリダの景色がイイ感じ。
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