まえ

gifted/ギフテッドのまえのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
3.9
好評な割に自分のまわりの映画好きの方々はそんなに評価高くなかったから、ありがちなお涙ちょうだいものの映画なのかなって思ってたけど、いやいや良いじゃないですか。
結末はまぁそうなるよなっておもうけど、これは才能を活かして生きることと普通の生活をすることのどちらが幸せ?や親子愛みたいなものじゃなく、それぞれの人がもつ理想が生み出す他人との関係性や自分の気持ちとの摩擦を見るものなんじゃないかなと思った。メアリーの環境と才能に関して、メアリーにもフランクにも教師にも祖母にも隣人にもそれぞれメアリーにとっての最善を考えた理想があり、それぞれのエゴがあり、だからこそギクシャクしてしまう。苦しくてもそこをどう乗り越えるのかが大切なんだと思った。そういう意味で猫のフレッドは偉大。そんなこと忘れさせてくれるから笑。
そして満場一致で素晴らしいのはマッケンナ・グレイスの演技。才能をもち理路整然とした知的な部分と子供らしい感情や行動の表現のバランスが本当に見事。これからどんな作品に出るのか楽しみ!
『(500日の)サマー』ほど過剰な演出はなかったけど、やっぱり会話の中のちょっとした皮肉を含めたユーモアから人間同士の関係性を見せるのが上手いんだと思った。
そんなマーク・ウェブ監督の撮り方は『アメスパ』みたいな規模のでかい映画より、このくらいこじんまりしたものにぴったり合ってると思う。来年4月公開の次回作もそういう意味で規模の小さそうな映画なので期待して待ってたいと思います。


20171208
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