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gifted/ギフテッドのemilyのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.0
 母を亡くした7歳の少女メアリーは叔父のフランクとフロリダの小さな町で暮らしている。メアリーの母親は数学の天才で、彼女もその才能を引き継いでいる。そのことが周りに知れ始めると、フランクの母親は英才教育を受けさせる事を勧め、フランクから引き離そうとするが・・・

 メアリーを演じるマッケンナ・グレイスがとにかくかわいい。洋服も仕草もすべてが7歳の”普通の少女”であり、どこからも天才少女をひけらかす様子は感じさせない。等身大で7歳の少女であり、叔父のフランクと片目のフレッドをこよなく愛する、日々の幸せと愛に包まれた少女なのだ。普通に暮らすこと、才能のため英才教育を受ける事。どちらかの選択が正しいかなんて誰にも分からない。ただ才能を伸ばす機会を与えてあげれば、あとは本人の選択だと思う。そしてどちらを選んでも間違いではない。

 ここには誰も悪役はいないし、そしてすべての人の優しさと愛を垣間見る事が出来る。人と人が繊細に絡みあい、そこからドラマを生み出し、選択する。感動とユーモアが時に美しい映像美の中で表現され、優しさに胸を熱くさせられる。人は欲望の固まり。一つ手に入れれば次を求めてしまう。しかしこの世に生まれてきた事、それだけで奇跡で、大切な人がそばにいてくれるそれだけで幸せだったはずなのだ。そう生まれてきてくれたことが最大のギフトであること。才能と普通の暮らしとの狭間で境界線が溶け合ったラスト。未来は分からない。その選択が正しいかは分からない。しっかり道を残しながら、”今”を楽しむ選択のラストが非常にいい。
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