回想シーンでご飯3杯いける

gifted/ギフテッドの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
3.7
Filmarksにアップされているレビューで「泣ける」の文字がやたら目立っていたので身構えていたのだが、実際に観てみると、良い意味でドライで心温まる親子の物語だった。

7歳のメアリーは予告編や冒頭のシーンでは捻くれた子供として描かれているが、数学の学力が飛びぬけている事を除けば、7歳児として平均的な女の子として描かれているのではないだろうか。クラスメイトの男子が作った動物園のオブジェを褒めるシーンが前半の見所だと思うのだが、これも意外と早い段階ですんなりと描かれている。

こうした人間的なまともさを支えているのは、自殺した数学者の母親ダイアンに代わってメアリーを育てる叔父フランクの育児哲学だ。彼は現在ボートの修理技師として暮らしているが、元々は哲学者である。ダイアンの最大の理解者である彼だからこそ、メアリーに対する育児法にはブレがない。

後半では親権をめぐる法廷劇になる本作は、メアリーの成長と言うよりも、彼女を囲む大人達の葛藤の物語であるのだと思う。そんなギスギスしたムードを持ち前の大人っぽさで和ませていくメアリーの姿が意地らしい。「スティーヴンソン先生おはようございまあーす」のとぼけ具合が最高だった。