滝和也

gifted/ギフテッドの滝和也のレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.2
子役と動物には
勝てない…を地で行く
ハートウォーミングな
佳作…。

「ギフテッド」

家族の話…余り得意ではないジャンルなのですがm(_ _)m…。キャップことクリス・エヴァンス、ドリームやシェイプオブウォーターでノリに乗っているオクタビア・スペンサーが出演していることで鑑賞です。

ギフテッドの意味は天から授かった才能、もしくはそれを有する子供と言う事でしょうか。亡き母から数学の才能を受け継いだメアリー。叔父であるフランクは7才になる彼女を育てています。彼女の才能に気づきながらも、普通の子供として育てたい彼。その才に気づいた彼の母が親権を奪おうと訴訟に。歪ながらも幸せな2人の生活は…。

ストーリーは王道を行くもので、その想像の範囲から出るものではありません。

しかしそれが、いい。

特別な才能が、歪な生活を生み、歪な人生を生むのでは意味はありません。

大事なのは…

家族を愛し、信頼し、そして家族に愛され生きることでしょう。

そこに変化球はいらないはず。

また王道を行くべき家族のストーリーには、アメリカの良心たる俳優が必要です。過去にはジェームズ・スチュアート、ゲイリー・クーパー、ヘンリー・フォンダ、近くでは、ケビン・コスナー。クリス・エヴァンスは彼らのラインに乗りました。あの優しき目、正しさに迷いながらも進む姿、慈しみを讃えた表情。抑えた演技に感動を覚えます。

そしてメアリー役のマッケンナ・グレイスのなんとしなやかで自然なこと。彼女とクリス2人のシーンはもうどれも息があっていて素晴らしかった。ギフテッドの題名に正に相応しい演技ですね。ジョディ・フォスターの様に子役から美しい女優として羽ばたき、成功して欲しいものです(^^)

オクタビア・スペンサーは隣人役。脇でやはり光っていましたし、もうこの手の黒人女性役は全て彼女でいいんじゃないでしょうか(笑)

対立するフランクの母イブリンにはリンゼイ・ダンカン。1言言わせて頂くと…

「クソババア!」

と言いたくなるほど似合っており、見事なクールぶりです。あんな親なら…、これ以上語ると下品になりそうな位、見事な演技でした。

王道を行く、家族を見つめ直す作品に、芸達者な役者が集まり、無駄のないストーリー展開と無理のない演出がハマればやはり良作になるものです。ちょっと涙ぐみました(T_T) これから親になる方、親である方、子供の立場から、親の立場から、どちらから見ても楽しめる佳作だと思います。是非ご覧ください。

追記 マーク・ウェブ監督はヒーローモノより遥かにリアリティのある今作の方が合ってます(^^)
滝和也

滝和也