NEWおっさん

gifted/ギフテッドのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.5
「本当の笑顔。」

マーク・ウェブ監督の最新作。「(500)日のサマー」にどことなく通ずる人間ドラマで、親がいない天才過ぎる子供は、どこで誰と住めば心からの笑顔を見れるのか。子供にとっての本当の幸せって何だろう、てなコトを問いかけてるような作品。

これは紛う事なき傑作。後半はボロボロ泣いた。
何より多分皆が思うことだと思うだろうが、メアリー役の子役の子の演技が自然過ぎて、一挙手一投足が見てて素晴らしかった。監督がメアリー役がこの子じゃなかったら製作が中止になっていたかもとか言ってるのも頷けるぐらい。特にお気に入りが夕陽をバックにシルエットだけでフランクに戯れている場面。演技がしっかりしてるから、シルエットだけでもちゃんと想像で補完できるぐらい微笑ましくなる。

ストーリーも正直中弛みも感じないぐらい、テンポも良く、かといって勇み足でもないしガッチリした作り。メアリー自身を姉みたいに数学の雁字搦めにしたくないフランクと、自殺した亡き姉の挫折した夢をどうしても娘のメアリーに託したい母親の苦悩。どちらが正解とも言えないが、やっぱり視聴者としてはフランクを応援したくなるのは心理だよなあ。まあこの映画自体そういう作りなんだけども。

ちょっと母親が悪役然に偏ったのと、里親のその後のフォローが無かったのが不満だが、逆に言えば不満はそのぐらい。近年では久々にボロ泣きした。