へいゆ

gifted/ギフテッドのへいゆのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.6
初観。

たいへん良かった。子どもと親がテーマの映画(この映画は叔父と姪の話だが)は、自分に子どもができてからどうしても感情没入してしまうので観ながら心が右往左往して、駄作でもだいたい泣ける(あ、これは名作だよ!)。

天才的な数学脳を持つ7歳のメアリーをどんな環境で育てていくべきなのか。対立した意見が展開されていくけれど、そこに子ども当事者の思いは置き去りにされる。

何度も出てくることば、「普通」というのが、どれほど難しいことなのかを思い知らされる。誰かにとっての「普通」は別の人にとっての「普通」ではないかもしれないからだ。

勉強に集中させる環境にするべきか、ほかの子と同じように外で遊んだりバカなことをして過ごすのが良いのか、メアリーの今と、将来まで考えたときにどっちがベターな選択なのか。その選択をするときに7歳の当事者の思いを汲み取るべきなのか。なかなか答えが出せないよなと、観ていて思った。

この映画のキモはメアリーを生後半年から育ててきた叔父のフランクの優しさが終始ずっと満ち満ちているところで、フランクとメアリーの関わりをみているだけで心穏やかにしてくれる。

病院へ、見知らぬ家族の出産のあとの様子をメアリーに見せに行く場面とか、すごく良かった。優しい。生まれてきてくれることってとても嬉しいことなんだよって教えてくれる。心が浄化された場面、最近観た映画でなかったかも。

夕日をバックにフランクがメアリーを肩車しながら哲学的なこと話したり(フランクはもと哲学の准教授)「ずっと一緒にいる」って約束するシーンも最高。わが息子にやりてえ…とうずうずしたよ。
へいゆ

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