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gifted/ギフテッドのMaUのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
3.8
与えられた才能がギフト。そう思いながらストーリーを追うのだけれど、そうじゃない、生まれてきてくれたことがギフトなのだ。なんて素敵なダブルミーニング。みんながよかれと人のことを思い、それゆえにぶつかり、傷つきながら答えを探していく。ごめんね、間違えたよと言えることがすごく大事なこと、許さないと言いながら泣いてハグすることの温かさが人には必要なこと、そんなことを教えられた。

フランクのクリス・エヴァンスは実は作品初見だけど魅力的だった。ボートの管理という無骨な男の典型のように見えるのに、実は知的で深い、というギャップがたまらない。「I think, therefore I am.」なんて話を幼い天才の姪っ子としちゃうあたりがとてもツボだった。

メアリーのバランスの欠き方もまた愛しい。母譲りの数学の天賦の才能を伸ばしてあげるとともに、情緒の成長も彼女に見合ったテンポで見守ってあげてほしいと老婆心ながらに思ってしまった。1+1はバカみたいだけどスポンジボブや片目の猫のフレッドが大好きなんだから。

一番好きなシーンは、自分の出自を知って泣いて部屋に閉じこもるメアリーに悪かったと言ってフランクがしてあげたこと。なんて人!惚れる!と思って胸がじんわり温かくなった。私が判事ならやっぱりフランクにメアリーをお願いしたい。おばあちゃまには是非是非金銭的援助と専門的な知恵をいただきたいけれど…
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